好きって気づけよ。
今日、凪くんとお昼休みにいっしょにいた女の子ではないみたい。
雰囲気がとっても大人っぽいし……3年の先輩かな?
ふたりで少し会話すると、先輩は凪くんになにかを手渡して、去って行った。
林くんがそのうしろ姿を見て、うっとりしたようなため息をついた。
「サト先輩、ほんと綺麗だよな~。3年のマドンナだぜ、あの人」
「本当に、すっごく綺麗な先輩だったね。凪くん、なに渡されたんだろ?」
「ああ、貸してたCDだろ? サト先輩、放送部員だからさ」
放送部員なんだ。
サト先輩って……もしかして、いつも水曜日の放送を担当している人かな。
落ち着いているけれどつややかな声で、クラスの男の子も毎週さわいでいるから。