好きって気づけよ。
「うん。そういうこと」
「……へ?」
凪くんが離れたことで、心臓の音が、ゆっくりとおさまっていく。
自己完結したようににっこりとほほ笑む凪くんに、私は目を見開いた。
そ、そういうことって、どういうこと?
相変わらず意味がわからないよ!
そう言おうとしたけれど、凪くんが私を置いて歩いて行くのに気づいて、あわててその背中を追いかけた。
「な、凪くん! どういうこと!?」
「いま心愛が言ったじゃん。わかんねーの?」
「全然わかんないよ!」
「やっぱ理解力ねーな」