好きって気づけよ。
不意打ちの密着にあわてる私をよそに、凪くんは「そういうことで」と言い残して、
私の手をひいて校舎裏をあとにした。
男の子はなんともいえない表情で、私たちを見ていた。
「凪くん!」
「なんだよ」
「私、まださっきの男の子とあくしゅしてなかったのに! 返事もしてないよ!」
「ばーか」
私が凪くんの背中に言葉を投げていると、ぴたりと立ち止まってこちらを振り返った凪くん。
さっき男の子には笑ってたのに、ちょっと怒ってるみたいな表情。
でも、私だって怒ってるもんっ。