情熱のラブ・  フォルテシモ
私は彼の前に突っ立ち、彼の腰に両腕を回した。

そして彼の胸に顔を寄せて目を閉じた。

胸の鼓動が聞こえるほど彼に近づいたのは初めてだった。

私は安心できた。やっぱり彼は私の中にいた。

「お願い、抱き締めて、早く。次に会えるのはいつかわからないから、だから今だけ。」

「抱き締めるだけでいいのか、それだけで足りるのか?」

「ううん、足りない。全然足りないわ。」

彼との長いキスに溶けた。

なぜもっと早く気づけなかったのか。

ジョシュのオファーがなければ気づけないままだったかもしれない。

「私、帰ります。自宅で待っていてもいい?」

「わかった。店が終わったら必ず寄る。」

「ありがとう、私もっと早く、もっと前に。」

「いいんだ。俺だけが想っていたわけではないとわかったからこれでいいんだ。渡米までまだ日がある。」

「毎日来てくれるの?」

「ああ、約束する。」

もう一度キスしたら涙が頬をつたった。

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