情熱のラブ・  フォルテシモ
コンコン、とドアがノックされた。

「どうぞ?」

「須藤さん、お届けものです。フロントで預かっていましたのでお持ちしました。」

従業員が大きな花束を抱えていた。

「ありがとう。」

「失礼します。」ドアが閉まった。

花束が巨大すぎて重かった。

テーブルの上にそっと置き、中のカードを開いた。

『今夜やっと君の声が聞けると思ってよく眠れなかった。ジョシュ・ブラウ』

とメッセージが書いてあった。

「どなたかしら?」私には見当がつかなかった。

ドレスに着替えてもう一度オフィスにいる田原マネージャーへ声をかけた。

「出ます。」

「ああ、頼む。10時にここだ、いいな。」

「はい。」

< 2 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop