情熱のラブ・  フォルテシモ
「君宛てだ。英語は得意だろ?」

私は封筒を開けて読んだ。

一体何かしら?

レターには私を引き抜きたいと書かれていた。

「私をよそへやるんですか?」

「俺の本音はノーだ。だが返事は君自身が決めることだ。引き抜きと言うよりオファーと言った方がしっくりするが。」

私は彼の言葉に困惑して眉を寄せた。

コンコン、とノックの音がした。

「失礼します。お客さまをお連れしました。」

「中へ通してくれ。」

従業員が二人の客を中へ入れた。

オフィスがシ~ンと静まり返った。

A席にいたミドルグレーの男性が口を開いた。

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