情熱のラブ・  フォルテシモ
「初めまして、ラリー・ライアンと申します。彼はジョシュ・ブラウです。」

彼がジョシュと紹介したのは年齢不詳の若い男性だった。

「初めまして、マネージャーの田原隆一です。彼女は須藤樹奈です。」

4人で握手を交わした。

私はジョシュ・ブラウに花束のお礼を言った。

「ジュナ、君の声を僕にくれないか?」

彼の唐突な発言に私はまたも困惑するしかなかった。

「ジョシュと呼んでもいいかしら?私の声は私のものよ。」

「ごめん、僕の言い方が悪かったな。僕と一緒に歌わないかと思って、返事が欲しいんだ。」

「田原、ジョシュはテノールシンガーです。彼女と一度歌合わせをお願いしたいのです。」

今度はライアンが口をはさんだ。

「なぜ彼女を選んだのか知りたい。」

田原マネージャーは静かに問うた。

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