情熱のラブ・  フォルテシモ
「彼女のスケジュールは週末がきつい。週明けまで待てればの話しだ。ミスター・ライアン?」

マネージャーはきっぱりと言った。

「オーケーです。月曜日にスタジオを取るのでご連絡します。ジョシュ、それまで待てるだろう?」

ラリーは若いジョシュに聞いた。

「僕はこの週末、毎夜ここへ来るよ。ジュナの声に酔いたいんだ。」

「ジョシュ、一人じゃ無理だ。未成年は入れないんだから。」

「彼は未成年なのですか?」私は驚いた。

「ジュナ、僕は18歳だ。君よりもいくつ年下なのかはわからないよ。」

18歳でテノールシンガーとは、よほどの声の持ち主だと思った。

「田原、必ず連絡を入れます。ジュナ、月曜日にスタジオでお待ちしています。」

「わかりました。ミスター・ライアン。あなたはジョシュのマネージャー?」

「はい、田原と同じ立場です。」

ライアンは田原マネージャーと目を合わせ何か言いたそうだった。

「ジュナ、必ず来て、僕、待っているよ。」

「ジョシュ、必ずまいります。」私は彼と握手をした。

二人は帰って行った。



< 7 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop