泣き星
「なあ、星羅」
離れてしまっていた星羅の手をそっと自分の片手で包み込み、もう片方の手で星羅の頭を撫でた。
「俺の願いはさ、星羅とこれからも同じ気持ちでいたい。それだけだ」
「冬夜……」
「さっき偉そうに言ったけど、正直、寂しい思いをさせないとは言いきれねえ。……でもさ、距離なんかに負けずに二人で頑張って寄り添っていこう。星羅が好きだって気持ちは、距離で変わるものじゃないから」
「……うん。わたしも同じだよ。冬夜が好きってことは、どれだけ遠く離れていても変わらない」
星羅の手を包み込む俺の手に、もう片方の星羅の手が重なる。さらにそこに、髪を撫でていた俺の手も重ね合わせた。
不安で震えている繋いだ手を、お互いの手で強く固く結びつけた。
これから先、二人の心の距離がどうなっていくのかなんて分からない。
でも、今はただ信じたい。
胸の奥に広がる愛しい気持ちが、永遠のものになるのだと。
寄り添う俺たちの頭上では、まだ流れ星が落っこちるようにして姿を海の向こうへと消していた。
もしも星羅が言うようにあの流れ星が星空の涙で、それが落ちた先で海が生まれているのだとしたら。
俺と星羅が今日落とした涙でも、何かが生まれてくれたら良いと思う。
俺は星羅を抱き締めながら、星空の涙に願いを託した。
この夜に受け止めた切ない想いが、どうか意味を持ちますようにと。
そして二人の涙から生まれるものが、出来れば優しい希望ある未来でありますように――。
end