泣き星
寒いなあ、なんて思いながら。俺は公園の入口の前で星羅(セイラ)のことを待っていた。
震える手でジーンズのポケットからスマホを取り出して時間を確認する。もうすぐ23時になろうとしているところだった。
星羅との待ち合わせ時間まで、あと3分程度。その間にカップラーメンが出来る。
……ああ、寒いしラーメン食いたくなってきた。
早めに夕飯を済ませたせいか、思わずぐうっと腹が鳴りそうになる。だけど唾を飲み込んで意識を逸らした。
……あいつ、何でこんな時間に呼び出したんだろう。
思い出すのは、かれこれ2時間ぐらい前に星羅から送られてきたラインの内容。
『冬夜の家の近くの公園、23時に集合』
たったそれだけで、星羅は俺をこんな時間に寒空の下に放り出した。
正直、断ろうと思った。メッセージを受け取ったのは風呂に入ったあとだったから、わざわざ身体を冷やすために出掛けるなんてことしたくなかったし。
でもその旨を伝えようと送った俺のメッセージには“既読”という機械的な文字がくっついてきただけで、星羅からの返信は来ない。既読スルーですか、星羅さん……。
……まあ、別に良いんだけどさ。
あいつに言ってやりたいことは山ほどあったけど、結局俺はこうして自分の彼女を待っている。
その理由は惚れた弱みってものなのかもしれないけど、それ以上にただ、今の俺みたいに星羅を一人で待たせていたくなかった。
星羅ならきっと、いつまでも俺を待ち続けていそうだから。