霧隠れの消息



私の手の中からビー玉が
一つ床へと落ちる

コロンと音をたてて

光りに当たったビー玉は
何処までも澄んでいて
汚れがなかった

人の心はビー玉だ

最初は綺麗で純粋だ
でも大人になるにつれ
ひびが入り、欠けていき
いずれ黒くなっていく

人はそういう物。

地球上最も哀しい生き物
それが人間

愛と嘘と欲望の固まり

きっとそうだ



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