オレンジ色の恋
ただ立ちすくんでいたとき…




「ん…」




乃愛が目を覚ました




俺は、とっさに教室の外へと出る




乃愛…



教室の外から、ばれないようにそっと乃愛を見つめる





乃愛は机から顔を上げぼーっとしている





そして…




「ゆう、く………ん?」




乃愛がポツリと呟いた小さな声を俺は聞き逃さなかった





俺の名前…悠斗を、乃愛はいっつも「悠くん」と呼んでいた




いつも悠君、悠君って俺を呼んでくれていた




……乃愛、まだ俺の事好き?





まだ俺のコト悠くんって言ってくれるの?





そして乃愛をようく見ると、乃愛の顔には涙の跡があった




なぁ?



乃愛?




泣いてたの?



泣き疲れて寝てたの…?





俺…乃愛のコト、まだ諦めなくていい?



俺…期待してもいい?



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