隣の部屋のナポレオンー学生・春verー





お昼休みを1人で過ごして、放課後も1人になった。


いけない……。


大学生活、思っていた以上に誰かと話す機会がない。


どこのサークルに所属しようかも、まだ決めていない。


無所属、って手もあるんだけど、それじゃあ関わり合いも格段に減る。

どうにかしなきゃ、ガチなボッチになっちゃうな……。



そう危惧しつつ、あたしは1人でバイトに向かったのだった。


それから4時間の間、アパレルショップで9時半まで働き、重たい足取りで自宅アパートへと帰宅した。


けどあたしは、自宅に帰ればボッチではない。

鋼太郎という、2ヶ月の大親友がいるのだから。


「こーたろー!もう疲れたよう!」


どこかの大作アニメのセリフを真似て、あたしはそそくさと部屋に上がり、鋼太郎を抱き上げる。


「お腹空いたでしょ。
いまご飯あげるからねー」


鋼太郎の顎をしきりに撫でてやり、あたしは台所に立つ。

今日の夕飯は、取り敢えず即席の鮭フレークの混ぜ御飯。

もやしも残っているので、刻んで鮭フレークと白飯と一緒に炒める。




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