隣の部屋のナポレオンー学生・春verー




「……いい気になるなよ、曽根 緋奈子。
いつかフランスを支配した我が輩の力、思い知らせてくれる」


ナポレオンは至近距離であたしを指差す。

その指はどんどんと接近してきて……

遂にはあたしの頬を何度も突っついた。

人差し指でつつかれると、地味に痛い。


「……もしかして、これが仕返し?」

「地味に痛いだろう」



ナポレオンは何故か勝ち誇る。


フランスが誇る(のか?)歴史的軍人の仕返しが、これね。

なんかじみーな実力行使にでたよ。

そして鬱陶しいよ。

まあ……喧嘩ふっかけたのはあたしなんだけどさ……。


そして散々にあたしの頬を突くと、ナポレオンはご満悦したらしく、鼻を鳴らして足を組んだ。


「ふっ……。思い知ったろ。
これが我が輩の実力だ」



なんか隣でひとり、偉そうに満足してる人がいる。

この人、本当に元軍人……?

歴史の人物像よりも、ずっと調子が軽いというか、なんだか子供。


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