冷淡なキミの二番目彼女。
恭の二番目の彼女になりました。
私だって、普通に恋して普通に付き合って普通に結婚したかったんだよ。もちろん大好きな人と。
立花愛理(たちばなあいり)。大学1年生。
両親の遺伝子のお陰か、わりと整っている顔立ちだと自覚はしていた。高校の時も人並みは告白されていたし、女の子の友達だって多かった。
そんな私はこれから告白して、大好きな人と付き合う予定だったのに。その予定は、私の好きな人の手によって、いとも簡単に崩される。
「殺したくなるほど大好きな彼女居るから、無理。」
篠原恭弥(しのはらきょうや)。私の好きな人。
あれこれ見た目を説明するより、一回見た方が恭の格好良さが伝わると思う。
身長が高くて、黒髪が似合う無表情の恭。
そんな恭に告白してバッサリ振られた私。だけど、こんな簡単に引き下がれる訳が無い。
てか、殺したくなるくらい大好きって、意味分かんないよ。好きな人を、普通殺すとか言う?
「好きなの。」
そう言うと、恭は顔をしかめて私を見る。
「恭と付き合いたい。」
みっともないとか、諦め悪いとか、今更そんなのどうでもいいよ。好きな人に、好きになってもらいたいだけ。
「無理、彼女居るから。」
恭もなかなか頑固で、一度も私を見ることなく冷たく言い放つ。
思えば、これが私の初めての失恋かも。なんて、考えながら恭を見る。
あー、やっぱりカッコいいな。諦めたくないな。
恭に抱き締められたい、恭の笑顔が見たい、恭の隣を歩きたい。諦めたくない。
「やっぱ、無理。」
振られて、はいそうですか。なんて納得出来ないよ。
ーーーグイッ
ほぼ無意識に動いた、体。恭のシャツを掴んで、引き寄せて。
ちゅっ、
恭の唇に優しくキスを落とした。
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