冷淡なキミの二番目彼女。
恭と初めてのデート行きました。
「恭っ、ここにね新しくカフェ出来たらしいよ!」
「ふーん。」
私の話なんて興味無さそうに文字がたくさん書いてある本を読む、恭。
「スイーツとかも美味しいらしいよ?」
恭ってどうやったら一緒に行ってくれるんだろ。結局この前のご飯も行かなかったし、今回のカフェもダメなのかなぁ、なんて考えながらも恭を遠まわしに誘う。
「へー。」
だけど、恭は私なんかより文字がたくさん書いてある本の放方が何倍も興味があるようで。カフェの話なんて聞いていないようだ。
「カプチーノが一番おいしいみたいなんだけどーー」
「で?いつ?」
こっちを全く見ないで、適当に返事をする恭を見て、カフェも諦めかけていたらーーー
「いつって、聞いてんだけど。」
恭は本ーーではなく、私を見てめんどくさそうにそう言う。
「え?」
「え、じゃなくて。行きたいんでしょ?…因みに俺、今日はバイト無いけど。」
「っ、今日がいい!!」
大声で答える私。それを呆れたように見る恭。
「初デートだね!恭、大好き。」
たまらなく恭が好き。そう思ったら、無性に抱きつきたくなって、恭の大きな背中に思い切り抱き付いた。
「…愛理。 何回も言うけど、それやめて。他人に背後とられるのは好きじゃない。」
まるでどこかの忍者が言うようなセリフを恥ずかしがりもせずに真顔で言う恭。きっと冗談なんかじゃないのだろう。
「前から抱き付くのはいいの?」
「…いいんじゃない?」
恭の「いいんじゃない?」はどうでもいいんじゃない?って意味らしい。それでも拒否しない、恭が好き。
「ねぇ。恭は甘いの好き?」
「ーー別に、嫌いじゃない。」
ちょっと考えたような顔をして答える恭。いつもは無表情で答えるくせに。恭は分かりやすい。
「素直に好きって言えばいいのに。」
そんな恭が、可愛く見えて。私は恭の腕に自分の腕を絡ませて、上機嫌で歩き出す。
「前見ないと、転ぶよ。」
…なんて、恭は本当に素直じゃない。