君の横顔

(鞄の購入場所は…)
そう思いながら手に持っている地図を見る。



(1棟1階の一番奥。A組3年のクラスかぁ)

地図にはそう書いてあるものの
だだっ広い校内だ。わけがわからん。

(あ、この階段降りれば行ける)

階段を降り真っ直ぐ進んでいくと
目的の場所と長い人の列が見えた。



行列は思っていた以上に長く
待ち時間の長さが思いやられる。


(うぅっ。ローファーの方が楽だったかも…)

そうは思うもののマイペースなあいなにとって
待ち時間はそんなに苦痛ではない。

(高校に入ったらステキな先輩に会えるかなぁ♡)

待っている間に妄想がどんどん広がっていく。
と同時に冷めた一面も出てくる。

(勉強大変だろうし、部活も忙しいよね。
こんな妄想する時間も減っちゃうんだろうな)

ぼーっと考え事をしていたが
まだ列はそんなに前には進んでいなかった。

(あ、いつの間にか私の後ろにも人が並んでる)

最後尾だった優華の後ろにも列ができていた。

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