君の横顔


と、そこに前の方から男の子の集団(といっても3人だけだが)が歩いてきた。

少年A「うっわ。めっちゃ並んでる。」

少年B「結構長いな。どうするユウスケ?」

ユウスケと呼ばれた少年は
なにか言葉を発するわけでもなく
だまっている様だった。


(あー。男の子の集団ヤだなぁ)

元々、男の子が苦手なあいな。
それが集団となって現れれば
あいなにとっては最大の敵であろう。

ふぅーー。と心のなかで深呼吸をし
パッと前を向くと、集団の中の
一人の少年と目があった。


(うわー。かっこいい。
  というか端正な顔立ちだ。)

少年は鼻筋がスッとしていて
大きな目にパッチリの二重。
そして、色黒でちょっと背が低めだった。

(外のスポーツやってるのかな?にしてもキレイな目。その大きさ分けてほしいわ)

目があった瞬間に回り出す思考。
ドキッと胸がなったのは言うまでもない。


しかし次の瞬間!
その集団の男の子たちは
私のちょっと前に割り込んできたのだ。


あいなの羨望の眼差しと
ドキッとなった胸のトキメキは一瞬にして
消え去ってしまった。

周りの人たちも多少苛立ちを覚えたのだろうが
少年の顔立ちの良さの方が気になり、
なにも言わなかった。


しかし、あいなは違う。
(はぁ。やっぱり顔がいい人って根性腐ってる。顔がどれだけ良くても、マナー守れない奴はだめだ。)

心の中では
毒舌モード発動中だった。
< 9 / 9 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop