僕と私とそれから空
「お、葵ー!」

「創馬。なに?」

「お前も今帰り?」

「うん。てことは、創馬も?」

「おう!」

屋上で明日葉さんと分かれたあと、俺は親友の高澤 葵の姿を見つけ、声をかけた。

「あ、そういえば創馬、一限居なかったけど、どこでサボってた?」

「んー?…内緒?」

「なんだそれ」

俺が冗談めかしていうと、葵はあきれたように笑いながら言った。


(悪いけど、それだけは言えないかなー)

理由はごく簡単。
俺と葵はライバルだから。

とは言っても、コイツは俺とライバル関係ということを知らない。

無理もない。
なぜなら俺はコイツに打ち明けていないからだ。

俺も、

【明日葉さんが好き】

だということを。





「まぁ、なんでもいーや。帰るならさっさと帰ろーぜ。」

「おう!」

2人で話しながら昇降口を出て、校門へと向かう。

俺は、葵にバレないようにさり気なく屋上を見上げた。
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