僕と私とそれから空
(…話してもいいのかな。私は、この人を信用していいの?…でも………私は、彼を信じたい。)

「わ、たし…人間恐怖症なんです。」

「人間恐怖症?」

「はい…。人と、目を見て話せないんです。それに、人が多いとこにいると、気分が悪くなってしまったり…。」

「だから、屋上に?」

「はい…」

(…本当に、話して良かったのかな…。)

「あのさ…それって、逃げてるだけなんじゃないの?」

「…え?」

「だってさ、人間恐怖症ですって、言って、その場を避けてるわけでしょ?それって、逃げてるってことじゃん。」

(やっぱり、話すんじゃなかった。)

後悔が私を襲う。

「……………で。」

「え?」

「…勝手なこと、言わないでっ!!そんな…駒瀬くんが思ってるほど、単純なことじゃないのよ!!簡単に言わないでっ!!」

「明日葉さん!?」

ガチャ

バタンッ

私は、逃げるようにその場を離れた。

目尻が、熱くなるのを感じた。

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