ごめんね、だいすき。
気持ちでいっぱい
もう学校なんて、どうでもよかった。ただ来て、ただ帰るという生活をしていた。

しかも部活でさえ、珍しく面倒くさいと感じていた。

だけど、そんな自分を自分じゃないなんて疑おうと、これっぽっちもしなかった。


メールしてから2日経ったある日の体育の時間、あたしは3人に報告することを試みた。
天気も良くて、少しだけジリジリするような日差しのなか、校庭にでて持久走をしていた。

あたしはそのときの、空き時間に3人を集めて、地面に字を刻むのによい、小枝を手にした。

「あのさ、報告があるんだけど…」

「また話かよ??」
アキナはまた聞かなきゃなんないの??って言うオーラをかもしながら、そう言った。

「今日は話さないから、今から見る字で理解してほしいんだ。いい??」

「うん…」
「別に…」
「口で言えないこと??…」
それぞれ、心に思ってることをそのままつぶやいていた。

そんなこと気にしないで、あたしは1字ずつ3人に伝えようとしていた。


「彼」

初めはこれ。
そして書いたら、消した。

「氏」

また書いたら、消した。
おもむろに3人の顔を見たけど、肝心なのはこの先だと分かっているようで、じっと地面に書かれる字をみてた。
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