水彩世界の終極より*未完

改めて自分のクラスの顔ぶれを見ると、同じクラスになったことがある人が半分ぐらいいて安堵した。


「(多分このクラスなら大丈夫。去年も楽しかったけど、きっと今年も楽しくなる)」

胸が高まった。明るい未来がある気がして、頬がゆるむ。



体育館へ入場後、全学年30クラス分の担任発表をし、長々とした校長先生のお話がある。眠気を誘う。



「生徒起立!」
と号令がかかった瞬間、フワッと現実に戻って、ワンテンポ遅れて起立をした。



そして解散という合図の後にゾロゾロと生徒達が体育館を出て行く。


私は自分より後ろのスズミヤを探して、二人並んで教室へと向かう。



「今年の担任女だね」

「うん。でも体育の先生だから良かった。今年のメンツうるさそうだし」

とスズミヤと話していると、同じクラスになった斎藤ミノリが
「うちも一緒に言っていいー?」

話しかけてきた。



「いいよー」
とスズミヤが返し、私もうんと返した。


新しいクラスではまだ友達を作りにくいし、私はミノリと知り合いだったし、本当なら快くOKをするのだけれど、

ミノリと私は二年前、バスケ部で一緒だった時、ミノリは私をイジメる側だったので、正直あまりもう関わりたくなかった。

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