水彩世界の終極より*未完
正直一緒に歩いた教室までの道のりはミノリとのこれからの関わり方で悩んでいて、相槌はうってるものの、全く2人の会話が入ってこなかった。
私はミノリに心情を読まれないようにしたつもりだったけど、ミノリはもうスズミヤと私に近付いてくることはなかった。
意外と目聡いんだな、と思った。
私は休み時間になるとスズミヤの机へ行って、喋ったり、クラスの雰囲気を見ていたりした。
クラス表を見たとき、騒がしそうなメンツだと思ったが、授業は人生で一番シンとしたクラスだったし、男女の交流もなかった。
「なんか変だね、もっとうるさくなると思った」
「受験生だしね。今年は。皆頭良さそうだよねこのクラス」
とスズミヤは全体を見渡して言った。
受験生、という言葉をスズミヤから聞いたとき、ズンッと私の気分を重くさせた。
ついにとうとう受験するのか。一年後は私、高校生か。
どこの高校で、どんな制服なんだろう…。
華やかな未来が頭を掠めたが、数秒でまた気が重くなる。
そのためには努力をしなくてはいけないし、自分の実力は今以上に上がるものなのだろうか。