水彩世界の終極より*未完
スズミヤは頭が良い。でも彼女はもともとの天才型というより、人よりも努力している人だった。
心が折れそうなとき、私はスズミヤのことを思い出して『努力は報われる』と自分に唱えるぐらい。
「ハルカワは去年からY高校行きたいって言ってたよね」
「うんー…Y高の先輩に勉強見てもらってたからー」
と言いながら、私はY高校に入学する自分を思い浮かべて、
「あとやっぱり制服可愛いよね〜」
と言った。
スズミヤは半ば呆れ顔をして
「そこ??流石ハルカワ〜」
と言った。
私はガヤガヤする教室の中声をひそめて
「…ね、スズミヤって好きな人いないの?」
と聞いてみる。
「いない」
と断言する。
「ふぅん〜」
とわざとらしく頷いてみせる。スズミヤはこちらを見ようとしない。
「とか言ってさ、本当は居たりしてー」
と言ってみたが、首を振るスズミヤ。