水彩世界の終極より*未完
チャイムと同時に担任が教室へと入ってくる。そそくさと自席に戻ると、修学旅行の班決めをすると担任が言った。
私は一目散にスズミヤの元へと駆け寄った。
「どうしよっか」
と言いつつも、どうにでもなれと思った。
誰でもいいから修学旅行を機に他の人と仲が深まればいいと思った。
「スズミヤさんいるからそっち行くねー!」
と2人のクラスメートが言ってきた。
「じゃああっち行こっか」
とスズミヤが言った。私もうん、と言って机を合体させた。
「スズミヤさんいれば迷わないねーっ」
と笑う2人。
私も同じことを考えていた。流石学級委員長だな、と感心する。
京都のルートや順番は私ともう一人の子の願望でほぼ決定した。
余った時間観光雑誌を見て
「やっぱ抹茶系食べたいよね〜」というと
「ハルカワさっきから食べ物ばっか見てない?」
とスズミヤに言われたり、
「このお土産絶対欲しいんだけど!」というと
「ハルカワなら他の物も欲しくなりそうだから今決めるのはやめときな」と言われたり、
「絶対この神社行くし!!」というと
「さっきルートに入れたし大丈夫でしょ。てか、ちゃんとお参りの仕方わかる?」
「うん」
と言いながらも、実はあやふや。
発言する度に突っ込まれるが、なんだかそれはスズミヤが私を熟知してるみたいで、小さいことだけど、私は幸せだった。