幼馴染が死にました
彼女は美術部で、小さい頃から絵を描くのが好きで、ボクの絵も何度か描いてくれたこともあった。
それから、いくつものコンクールで何度も賞をもらっていたりもしていて、その才能は周りにも認められていた。
彼女はよく、人の顔を描くのが好きだと言っていた。
人の心の奥底にある真っ黒い塊をあぶりだして、それを表現してやるのが快感だ、と。
笑いながら、言っていた。
――ヒロはアレだよねー。すっごくキレイ好き。だから、人が怖い。人は汚いから。
ボクをモデルに初めて油絵を描いたとき、彼女が言った言葉。
図星すぎて、驚いた。
――ミツキは人が怖くないの?
なんだか悔しくなってそう言い返せば、描きかけの絵をじっと見つめながら彼女は答えた。
――怖くなんかないよ、そんなの。
それは、おそらく強がりだった。
いじめられていることを悟れないようにといつも明るく振舞っていたから。
だから、人が怖いなんて言えなかった。
そうでないなら、いじめを苦に自殺なんかしない。