【短編】指定席
亜子と俺は幼馴染みで、中学校の時から俺の自転車で一緒に登校していた。

あの日も
いつもどおり自転車の後ろに亜子を乗せ、こいでいた。
ただ、いつもと違ったのは
ピシッと整った制服と髪型と亜子の頬の色だった。
異様に亜子の頬が赤い。
俺は熱でもあるんかと思って亜子のおでこに自分の手の甲をあてた。
『おまえ…熱いで!?』
びっくりした俺は休め休めと説得した。

そしたら亜子、なんて言ったと思う?
『恋の病やっ!!』
って泣きそうな顔で言ったんだ。
今日誰かに告白でもすんのかな…って思いながら
いつもどおり亜子を乗せて心配しながらも学校へ行った。
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