落雁
とりあえず、制服洗わないとなぁ…。
いくら目立たないからと言って、血が付いたままの制服を着たいとは思わない。
制服洗うついでにお風呂に入ってこよう。
あ、湿布取らないと。もう温くなってるし。
「そういえば、司は今日なんで学校行ってないの?」
「んー…。だるかったから」
「おまえなぁ…」
「でもね、いいものみれた」
頬杖をついて、司は笑いながら口を開いた。
「ピンクのパンツ」
「ぉぉおおおまええええええ」
司の胸倉を掴んで前後に揺する。
あははと笑いながら、司はあたしの手を離した。
「いやぁ、だってあんなに足上げてたら見えるよね」
「黙れ」
あたしは立ち上がった。
そろそろ本気でお風呂に入らないと、髪を乾かす時間に戸惑って寝る時間がおしてしまう。
「お風呂はいるの?」
「あぁ、うん。汗かいたし」
「じゃあ僕も」
「おい。おかしい」
「いや、おかしいのは弥刀ちゃんでしょ。さっき絆創膏貼ったばっかりなのに、お風呂はいったら取れちゃうじゃん。すぐに流血するくせに」
「さっきのはいきなり起き上がったから血が出たの。今はもう止まった」
絆創膏がとれるのは事実だけど、血は止まってるはずだ。
ふふ、と司が笑った。