※誘惑危険地帯※

ぎゅっ


これは学校だけじゃない。

家に帰ってもそうだ。

ートントン。
部屋の窓が鳴った。

カーテンを開けると
「・・・・・・」
本当にしつこい。

「まぢ、悪かったてっ!」

私はあまりのしつこさに
イラ度がMAXになる寸前。

ーガラガラ。
私は窓をあけた。

「あんた、本当にしつこいんだけど。」

「お前が許してくれねぇからだろ?!」

「あんたが悪いんでしょ?!」

私も誠もムキになりすぎて
己を忘れるぐらいだった。

「反省もなんもしてないくせに。
思ってない事口にしないでよ!」

すると、誠の表情が変わった。
真剣に私を見つめる鋭い目。

ドキっ・・・

「反省してるって」

「嘘つかないでよ」

真剣な顔で言うからこんな
言葉しか出てこないじゃない!

「嘘じゃない。
お前と話さなくなってからどれだけお前の存在が大きいか気づいたんだ。」

「え...」

誠の口から出る言葉に私は唖然する事しかできない。

「梨々香。」

そんな甘々な声で名前呼ばないでよ。

「ごめんな」

そんな真剣な顔しないでよ。

そんな顔でそんなこと言われたら

頭どうかなっちゃうよ・・・。

「は、始めから素直に謝ればよかったのよ」

気づけば私は誠の腕の中にいた。

「梨々香~っ!」

苦しいほどに抱きしめられて・・・。
仲直りのハグのはずなのに。
こんなにドキドキしてる、私・・・。

きっと誠はド変態だけど、今はやましい気持でこんな事してるはずはない。



私だけなのかな。
こんなにドキドキしてるのは・・・



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