※誘惑危険地帯※
危険地帯Ⅴ
夏が始まる
「あ゙〜。暑い」
気づけばもう夏。
「・・・来週まで猛暑が続くでしょう」
おいおい。
アナウンサーさん。
そんな残酷なこと言わないでおくれよ。
私は夏が大の苦手。
夏に生まれたのに・・・。
暑いし暑いし暑いし。
学校もあと一週間で夏休みに入る。
この一週間が意外と長いんだよな。
「梨々香~」
横から声が聞こえる。
誠だ。
「何?」
「シャーペンの芯くれよ」
「いっぽん100円ね」
「は?!なんだそれ?
金取る気か?」
「そうですけど、なにか問題でも?」
ちょっと怒り口調で答えた。
「何怒ってんだよ」
「暑いから怒ってんのよ!」
「だからって俺に当たるなよ!」
誠もムキになり始めた。
「暑いもん」
「そんなん知らねぇよ」
知ってるわよ・・・。
そんなこと。
誠がいきなり
「こうすれば涼しいぞっ」
私に水をかけてきた。
「きゃっ・・・!!」
冷たっ!
ちょっ・・・
「ちょっと、あんた・・・」
制服びしょびしょ。
「げっっっ!」
「ふざけんなよっっっ!!!」
私は腕をあげた。
「あ」
あ?ん?何?
「お前が・・・」
「はぃ?」
「ブラ透けてんぞ」
え?
自分の胸を見た。
・・・。
「ぎゃぁーーーーーーーーーーーーー」
誠はただただ笑う。
「絶対ゆるさないんだからー(怒)」
「ま、待てって!」
誠はただただ笑う。
「何笑ってんのよ?!
ちょっ、っ、待ちなさいよー!!!」
私は誠を必死で追いかけた。