※誘惑危険地帯※
キャンプ>>2
宏貴くんの好きな子って誰なんだろう。
「あの2人お似合いじゃん!」
「どの2人?」
「ほらあそこ!宏貴と梨々香」
「あっ、本当だ〜」
「オーラがあるよね♪」
中学時代の同級生たちがこんな話をしてるとは知らずに・・・。
「何か喋ってよ!」
私はこの重い空気に耐えられなく言った。
すると、宏貴くんが笑った。
「な、何笑ってんのよ?!」
「あー、やっぱ駄目だわ。」
「へ?」
「お前といるとほかの女子と話してる時と全然違うっつうか・・・何て言うか・・・」
ちょっと、顔を赤くした宏貴くんがこっちを向いた。
腕をぎゅっともたれ真剣な目で私を見つめてきた。
「俺な・・・」
ごくり。
つばを飲み込み緊張感のあるこの場を乗り切ろうとした。
「お前のこと、す・・・」
「はぃ、そこまでー」
いいタイミングで誠が割り込んできた。
「何よ?」
宏貴くんも驚きを隠せない顔をしていた。
「ちょ、俺手伝いしてくるわ」
宏貴くんは頭を抱えてバーベキュー会場に向かっていった。
「お前、宏貴と何してた」
誠が真剣な目でこっちを見つめてきた。
「え、何もしてないけど」
即答する私。
「何かあっただろ?」
「たとえば?」
「え・・・」
誠が困り始めた。
「こ、告白とか?」
は?何言ってんだこいつ。
「そんな分けないじゃん」
「じゃぁ、何話してたんだよ!」
「あんたには関係ないでしょ!」
「関係あるんだよ!」
「え?」
「幼なじみだからな」
「それと、これとは別だわっ!」
誠がちょっと赤くなった。
気のせいかな?
「は、はやくバーベキューするぞっ」
「う、うん」
私と誠はバーベキュー会場に急いだ。