※誘惑危険地帯※
お姉ちゃん
誠が私のことか好き?
ありえないよ。
あんな酷いことしてきたのに。
どうしたらいいの?私…。
誠とすれ違う度に目を逸らして。
避けて。無視して。
罪悪感しか生まれてこない。
「ああ、もうっ!」
こんなの私らしくない!!
こんなの私じゃない!!
誠もなんかおかしいよ!
なんて、言えないし。
ー家。
「ただいま~」
「お帰りなさーい」
お母さんのホッとする声が家中に響き渡る。
「今日遅かったね」
久しぶりに聞く可愛い声。
これって・・・
「お、お姉ちゃん?!」
「そんな驚くこと無いでしょ?」
「お、驚くよ!なんで、いるの?」
「また、旦那さんと喧嘩したのよこの子。」
「ちょっ、お母さんっ!それは言わない約束でしょ?」
私のお姉ちゃん。
岡本 栞(オカモト シオリ)21歳。
職業はデザイナーをしていて美人で自慢なお姉ちゃんだ。
結婚していて旦那さんと一緒に暮らしている。
いまは喧嘩中で家出してるのかな?
「まぁ、短い間居候させてもらいまーす!」
なんか、騒がしくなりそう・・・。
ー夜。
私は部屋で携帯を弄っていた。
「梨々香~」
「お、お姉ちゃんっ!
部屋入るならノックぐらいしてよ!」
「ごめんごめん」
お姉ちゃんと一緒に過ごすのは久しぶりだ。
ちょっと嬉しい?かも。
「梨々香、最近どうなの?」
「どうって?」
「誠くんと♡」
「へ?」
「へ?じゃないわよ!
誠くんと付き合ってるの?」
いきなりどうしたの?お姉ちゃん・・・。
まあ、私の部屋に来るときは大体が恋バナ目的。
「いや、付き合ってないよ」
するとお姉ちゃんが残念がった。
「あんなイケメンどこ探してもいないよ~?」
「ただの女ったらしだよ?」
「いいじゃん!一回ぐらいやってもいいんじゃない?」
「ちょっ?!お姉ちゃん!!!」
お姉ちゃんの冗談は冗談すぎて怖い。
「冗談だよっ♪で、彼氏いるの?」
「ま、まぁ」
私はお姉ちゃんにすべてを話した。
「・・・・・・いいじゃん」
「へ?」
「いいじゃーーーーん!!」
「え?な、何?」
「梨々香もようやく彼氏ができたのかっ!お姉ちゃん嬉しいよっ!!!!」
お姉ちゃんはわたしの手を握り上下にブンブンふる。
「お姉ちゃん応援してるからね♪」
「うん!ありがとう!」
「あ、そうそう」
お姉ちゃんはニヤニヤして私を見た。
「な、何?」
「やるときはいいなよ?教えてあげるから♪」
「ちょっ、お姉ちゃん~!!!!」
なんやかんやでお姉ちゃんと過ごした一夜が終わった。