※誘惑危険地帯※
2度目の
「なんの映画観る~?」
「何でもいいよ」
宏貴くんと居られるなら何でもいいけどさっ!
「じゃあ…」
宏貴くんは真剣に悩んでいる。
「なんか、可愛いかも…」
ちょっと小声で言ったんだけど聞こえてたみたいで…。
「誰が可愛いだと?」
「いえ、なんでもありませんっ!」
とっさに答えた。
「じゃあ、これにするか」
宏貴くんが指さした方向は・・・
「ぎぁ゙ーーーーーーーーーーー」
「うっせえなぁ」
「だだだだってっ!ぎゃ゙ーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
「しー」
半泣き状態の私。
笑いをこらえる宏貴くん。
「わ、笑わないでよ!」
「あー。ごめんごめん」
絶対思ってないな・・・。
「や、やめようよ…」
容赦なく私の頭をくるくる回るホラー映像。
こ、怖いんですけど…。
も、やだよ…。
「わ、私と、ととトイレ」
その時だった。
なんか、感じたことのある感触がホラー映画の音を消した。
重なった…
唇が…
私の頭と…
体を…
溶かしてゆく…。
誠と全然違う。
好きな人と交わしたキス。
私は目をつぶり宏貴くんのされるがままに身を任せ流されていった。