今昔狐物語
「嵐華様…受け入れましょう」
「阿、多羅…?」
ずっと拒絶され続けていたため、いざ了承の声を聞いた瞬間、嵐華は目を丸くした。
「俺だって…貴女様のことを愛しております。誰よりも、何よりも」
「阿多羅…!!」
初めて告白された。
嬉しさゆえにガバッと阿多羅に抱き着く。
「うわっ…!ら、嵐華様!?」
「嬉しい!嬉しいぞ!阿多羅!!そなたの口から愛してるなど…聞ける日が来ようとは思わなんだ!」
「あ、あの…嵐華様、お願いがあります。受け入れますから、どうか今宵はご勘弁を…!」
上機嫌で擦り寄っていた嵐華が急に冷たい声を発した。
「何故じゃ」
きつく睨まれて阿多羅の心境はたじたじだ。
「隣に小さな客人がいるでしょう?さすがに…その……恥ずかしいですよ」