お前の席は“ここ”

クラスに入って約10分



私の横はものっすっごくうるさいけどわたし自身は一言も話していないというね。


だって話す相手がいないんだもん。


よくよく見たらさ、もう一方の横は壁さんでしょ。後ろも前も不在。


はいおわたーーーー。



もういいもんね。真理ちゃんのところに行っちゃうもんね!



「おーい真…!」



・・・・ん?私の目がおかしいのかな。


真理が隣の男の子と仲良さそうに話してるのが見えるのだが。



…まぁさ。真理はモテるもんね。


顔も美人だし、性格もさばさばしてるし。


あ、もうなんか悲しくなってきたわ。



私とは真反対なんだよね、真理は。



ふふふ、悲しさを上回って笑えてきた。




ひとりでむなしくにやけている私。




「なに笑ってんだよ、斎藤」



・・・・なんか声が聞こえたぞ。



「俺だわ!横!」


ああ。横の方ね。


って横の方ーーー!?



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