闇の中の月姫
健斗「理事長の、早瀬 健斗だ」
え……健ちゃん!?
健ちゃんは、私の従兄だ。
『健ちゃん、理事長なの!?』
健斗「星奈か!?」
健ちゃんは、目を真ん丸にして驚いた顔をしている。
そっか、1年ぶりだもんね。
美紀姉あれから1年がたつね。
美紀姉、私を助けてなかったら、今日も皆と笑いながら過ごしてたんだよね。
私が美紀姉の幸せを奪ったんだ。
ごめん……ごめんね……美紀姉……。
健斗「星奈……”あれ”は星奈が悪い訳じゃないんだぞ?」
私が美紀姉の事を考えていた事が分かったのか、
健ちゃんは私に優しい眼差しを向けた。
『…ん?なにが?
あ、ここでは坂月 星亜って名前になってるからね。
星奈じゃないよ?』
私はわざと話を逸らして無理矢理笑ってみせた。
健斗「そっか……分かった。星亜って呼ぶな」
困った顔をして健ちゃんは、笑った。
ごめん、健ちゃん……まだ私は立ち直れそうにないんだ。