闇の中の月姫
「知らなくてすいませんっした」
そう言ってさっさとにげていく男達。
あ、あのナンパされてた女の子大丈夫かな?
『大丈夫?』
私は、女の子の傍へ足を運びなるべる優しい笑みで手を差し出した。
……私、ちゃんと作り笑いできてる?
「……うっ…ひっく………大丈夫で、す」
まだ泣いてしまっている女の子。
よっぽど怖かったんだね。
『もう、大丈夫だよ。可愛い顔が泣いてたら台無しだよ』
「……あ、ありがとうございます。
あの、よかったらお礼さして下さい」
『え、お礼なんていいよ』