トルクラトルクラ・ルンタッタ
あの男はあんなにしあわせそうだった。




あのおばあさんだって、あんなにやさしかった。



小人は大事なことを、なにもおしえてくれません。




そこへクララがもどってきました。




クッキーの入ったふくろをかかえて。




「これ、トルルのケガ代にもらっとくね」




「ちょ、ちょっとまって!!」




ガタン、と音を立て、立ち上がりました。





せっかく小人にちょくせつ会うことができたのに、




このままではなにもされずにかえってしまいます。




トムはあせり、クララの気をひこうと言葉をつづけます。




「おねがいだから、まだ行かないで!」




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