End day【短編】


誠也の恋愛対象にわたしが入っていないのは
重々承知の上。





でもあまりに悲しくて、
思わず口が滑ってしまった。





『紗英?どしたん?』



『どしたん、じゃない。
ずっと好きやった、
好きやのに何で結婚なんかするんよぉ!』



涙流して、何も言わない誠也の腕にしがみついた。



『思い出ちょーだいよ…』

そう呟いたあたしに、

優しい、少し震えた

キスをくれた。
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