人形の妹と王子の兄


つい頼ってしまったお兄ちゃんが

苛められるかと思った。

気にするなと言ったけれど、

ある日を境に私は学校に行かなくなったの。


「どこに居るのかしら、

私の息子を傷つけた生徒は」


クラスの入り口に、

荒木くんの両親が来てた。

PTAの会長で会社経営者、

学校の先生たちが頭の上がらない人だった。


「この篠原可憐の責任です」


授業中だというのに、

私は一人立たされて、


「あんたのせいでっ、

亮くんが怪我したのよ!」



「…ごめんね…ごめんなさい…」



「死んでくれる…

あんたなんて消えてちょーだい!」

< 103 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop