人形の妹と王子の兄
つい頼ってしまったお兄ちゃんが
苛められるかと思った。
気にするなと言ったけれど、
ある日を境に私は学校に行かなくなったの。
「どこに居るのかしら、
私の息子を傷つけた生徒は」
クラスの入り口に、
荒木くんの両親が来てた。
PTAの会長で会社経営者、
学校の先生たちが頭の上がらない人だった。
「この篠原可憐の責任です」
授業中だというのに、
私は一人立たされて、
「あんたのせいでっ、
亮くんが怪我したのよ!」
「…ごめんね…ごめんなさい…」
「死んでくれる…
あんたなんて消えてちょーだい!」