人形の妹と王子の兄
―――
「まじカレンちゃん可愛いよねー」
「おどおどしてるとこも
クセになるっつーか、
なあ、亮介」
仕事仲間のモデルの皆と
撮影写真をチェックしてる中、
俺、荒木亮介は
昔の可憐ちゃんを思い出した。
先輩たちが悪いのに
全部彼女のせいにされて
母親にののしられ家から出なくなったんだ。
「…今夜、カレンが東京に来るよ」
「マジ!?」
「でも駄目だから。
カレンは誰にも渡さないからね」