人形の妹と王子の兄
「可憐…
どうしてママの言うことを聞かないの?
可愛いお人形なのに…」
「そう思ってるのはお母さんだけだよ…、
行ってくるね」
足取りがとても重くて、
17の私には耐えられない…。
「苛められるなら、
学校をやめてもいいのよ。
私とパパとお兄ちゃんで…」
「そうしたら大学に行くほどの単位がたりなくなるの」
近眼の私はメガネをかけ
前髪を下ろして買い換えたばかりの革靴をはく。
時間をずらして血を分けた兄と同じ高校へと向かった。
朝のHRまで50分、
いつも通りの習慣があと
どれぐらい続けなくちゃいけないのかな。