人形の妹と王子の兄

昇降口の中に入って

自分のロッカーあたりから異臭がした。

耳障りな笑い声を聞きながら開けてしまう。

残飯まみれの上履きは切り刻まれていて

とても履けそうにない。


「すみません…23㎝の上履きをください」

「また君か…、

よく買うね。2000円だよ」


今月でいくら使ったのか、

考えたくなかった。

もう少し予防策をかんがえなくちゃいけないのかもしれない。



「…来たぜ」


クラスの雰囲気を悪くしてごめんなさい。

みんなが私を嫌っていることは知っているの。


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