人形の妹と王子の兄

黒川君の手が私に近づいてくるとき、

お兄さんの手が邪魔をしてくれたの。

前もこんなことがあって、

消してしまいたい過去が

ぶり返してしまいそうだった。


「滅茶苦茶可愛いじゃん…

どこかのモデルとかか?

だから、髪の毛で顔を隠してるとか?」


「…まあ、そんなところ」

「なるほどー、だから隼人は可憐ちゃんをね、」

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