人形の妹と王子の兄
冷やかしの声何てどうでもよかったが、
仮にも恋人となった可憐に触られたくねえ勢いだ。
「可憐ちゃん、隼人のどこが好き?」
「はぁ!?」
可憐にとって俺は兄で
恋してるわけじゃねえから、
「…全部…全部好きなの…」
嘘でも、それでも嬉しかった。
俺の背後に隠れる妹がぎゅっと服を掴んでいると分かるんだ。
やめろ…期待してしまうんだよ、
お前の中の俺が俺と同じであってほしいんだって。