人形の妹と王子の兄
「…黒川、そろそろいいか」
「ええー、俺まだ可憐ちゃんと話したい。
なあ、お前らもそう思うだろ?」
山田や井出、脇宮も頷いてる。
これが嫌だったんだが、
自慢の妹を紹介するのも嫌いじゃない。
独り占めしたいくせに、
それなのに…。
「篠原君…、私帰るよ…」
「だってさ、また明日な」
可憐は俺だけの人形で、
「可憐…どうして泣いてるんだ」
泣き虫でどうしようもない妹。
「怖いんだよ…すっごく怖いんだよっ」