人形の妹と王子の兄
兄と妹が恋に堕ちるなんて
気持ち悪いじゃないか…。
俺は絶対に許したくなんかない。
たとえ可憐が心の底から好きな人が出来たなら
応援はするけど、隼人にだけは渡したくはない。
「…そっか」
「あっさりしてるな、隼人」
「……ごめん」
「何で謝るんだよ。兄妹そっくりだな、そこは」
本当はいいたくないけど、
隼人には可憐を愛し続けることなんて無理だよ。
法律っていうのもあるし、
君にはたくさんの者たちから
反対されると思う。
心がズタズタになる可憐を考えたくない。
「明日の10時に新幹線に乗るんだ。
見送りしてくれるとありがたいんだけど、
お前ひとりで来てほしい。
もちろん、可憐には秘密な」
「秘密?何で秘密にするんだ」
「…いいから、秘密にしておいてくれ」