人形の妹と王子の兄
―――
「ただいまー」
「おかえりなさい、お兄さん」
何で外に出ていたの?
と可憐は聞いてきたから、
適当な言葉を見つけて、
「コンビニに立ち寄ってきた。
けど、漫画が売り切れだった」
今風呂から出てきた可憐の髪が湿っていて、
赤い頬を見てしまうと変に意識してしまう。
「…お兄さん顔色悪いよ…」
「そうか?
ま、夜の散歩は寒いからな。
つーか髪乾かしてこい。風邪ひくぜ」
可憐はなんだかうれしそうだった。
週末だから?
学校行かなくて済むからか?
違う…、違うな。