人形の妹と王子の兄
「買ってきてほしいものでもあるの?」
「えっと…
雑誌とメイク一式…ネイルとかかな」
「結構買いたいものがあるのね」
化粧っ気がない可憐が
こんなことを言うのには驚くが、
逆に不信だ。
半信半疑だが…いや、それはないか。
「じゃあ、行こうぜ。可憐」
「う、うんっ」
コンビニって24時間営業してるが、
疲れねえのかな。
「…十分お前可愛いし、
メイクとかしなくて良いんじゃねえの?」
「全然可愛くないよ…。
私も大人だもん…、女の子達みたいに…」
って言ってるが、
どの雑誌にしようか定まらないらしく、
俺にアイコンタクトした。
「…これなんかいいんじゃねえの?」
表紙に人形みたいなメイクしてる女たちが
ポーズをとってる物を渡す。
本物に近い可憐に必要はねえと思うけど。