人形の妹と王子の兄

誰かの足音が近くなってきて、

ブランコを降りたの。


「…お兄ちゃん!!」

「可憐っ…!」


駆け足で双子のお兄ちゃんに抱きついて、

「圭くん

…圭くん病院かもしれないのっ

…どうしよう、お兄ちゃん…」


心の中の救いを表に出したの。


「……大丈夫だ。

圭はお前の考え通りにはなってねえから。

圭に電話したか?」


「あ…してない…」
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